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ビジネス化するファッション

■巨大マーケット中国市場について

中国WTO加盟…
2001年12月、中国はWTO加盟。世界市場に限りなく大きな影響を与えます。

中国のアパレル産業も各分野で生産増強が進められ、 貿易権自由化を進め、輸入総量の規制がなくなる方向へ進みます。(それまでは各国は国内ファッション産業を守るために割当額協定の締結を中国に要求し、中国からの紡績品の輸入を減少させる国も存在していた)これと同時に 投資制限措置の削減・知的財産保護の強化が進みます。

中国の国内市場の対外開放政策に関しては2005年までの関税引き下げスケジュールが決まり、アパレル製品は12-15%に関税が引き下げられ、外資系企業への貿易権や卸売り・小売業など流通市場への参入を自由化しました。

それまで規制のあった巨大市場中国が動いたことによりファッション産業の国際競争は激化しました。制度上の変化に伴い日本、欧米のアパレル産業の中国進出が加速し、世界の大手アパレル・流通企業が店舗展開と製品生産の拠点確保に動き出します。

この意味は非常に大きいものでした。10億人以上の人がファッションマーケットがに放たれることを意味し、各ブランドは生産拠点を押さえるだけではなく、中国の顧客獲得に大きく動き出すことを意味するからです。

本格的に市場経済化が進みアパレル産業は大きな転換期を迎えます。

※WTO・・国連の関連機関の一つとして1995年1月に設立。GATTを引き継ぎ世界貿易の自由化と秩序維持を目指す。世界貿易を統括する2001年1月に中国と台湾が同時加盟。

■IT技術がファッション業界へ

忘れていけないのがIT技術の導入です。 90年代はIT革命が起こる時期でこの革命はファッションにも大きな影響を与えたのです。

流通システムにおける効率化、SCM(サプライチェーンマネジメント)が進み、 製造から製品が消費者に渡るまでの無駄を省き、これにより原料から最終的に製品が消費者の手元に届くまでのリードタイムの短縮と在庫の削除、コストの削減と経常利益の増加を達成することが成功のキーとなりました。

顧客の管理・顧客情報活用、CRM(カスタマーリレーションマネジメント)も重要となります。

どれだけ顧客の要望に対応できるかを重視した顧客戦略が推進され、誰が、いつ、どこで、何を買ったかをはっきりさせておくことで顧客の属性をつかみ顧客に新商品などの情報を提供するなど、顧客とのリレーション構築が重要になります。

またそのデータをもとに流行を先読みする企画力もファッション系企業の生き残りには非常に大きな意味を持つようになった。生産拠点が国内を離れ海外に置く場合、より優れた在庫管理システムが必要になりITの重要性はきわめて高くなりました。

このようにグローバル化による競争の激化に伴い、ファッションビジネスの展開も変化を遂げます。それは生き残りをかけた利益の追求であり、ファッション業界の経営システムは大きく変わることになります。 IT革命、効率化、生産拠点の移動による低コスト化が90年代のキーワードとなりました。

このような状況下では小さなブティックやブランドは非常に不利な状況に追い込まれます。IT化などを進めることができない点やローコスト体質に企業を持っていけない点が大きく響き、大手のブランドやアパレル企業に負けてしまうからです。

このような状況下でファッション業界の業界再編が進みます。ブランドが大きな企業に買収されたり、小さなブランドがビジネスをクローズしていきました。

そのような流れで力を持ち始めてきたのが、高級ファッションであればLVMHグループ、カルティエを傘下に持つリシュモングループグッチを傘下に持つPPR社、低価格を売りとするところではユニクロH&MZARAなどのブランドです。