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ファッションブランドの企業化

ファッションデザインとビジネス

株式を公開したファッション企業は財務的な基準を満たさなくてはならなくなり、デザイナーはよりビジネス面を意識した服を提案しなければなりません。

最先端や奇抜なデザインにこだわると売れない可能性があるため、経営面を考えたデザインが必要になり、売れ続ける商品を供給する必要が出てくるのです。

それにより…「日用品」的商品、機能的な商品、つまりある程度売れると予測の立てられる商品が市場に多く出回ることになりました。

また消費者のニーズに答えるため、たくさんのジャンルの商品展開が必要不可欠になります。それ以外にも生産体制の確立と在庫管理システムの強化が必要であり、「ビジネス」で勝つための前提条件になります。

現状の問題

M&A、株式上場に代表されるビジネス戦略が強調されつつあるファッション業界において、現在多くのインディペンデントデザイナーが財政上の問題からファッション業界からの撤退を余儀なくされているのが現状です。

若いデザイナーが店を出す、新規ブランドを開くことを想像したら分かりやすいでしょう。小さなブランドなので1つの商品あたりのコストを下げることは難しいです。効率的な流通システムを持ち合わせていないので生産コストは高くなります。

それに加えてテナントに代表される費用などの問題を抱えると、経営自体が難しくなります。原宿、表参道など立地のいい場所に店を出すことは非常に難しいのです。

広告面でも不利です。また大手ブランドに比べると広告、顧客管理などマーケティング面においても引けを取ることになります。

ウラハラ(裏原)は以前は独立系のショップが多かったのですが、表参道の活性化に伴い、最近は大手ファッション系企業の系列ブランドの出店が増えてきました。地価が上がって店を出せなくなったからです。昔は結構個人ブランドもありましたが徐々にそのような場所に出展することが難しくなっているのです。

特徴的なコメントを2つ

ジョルジオ・アルマーニ
「これがファッションだからこんなふうに着なくてはならない、そういうやり方が終わったということです。」(1997年9月、ニューヨーク誌)

エリック・ベルジェール:
「インディペンデントデザイナーは、ビッググループに身売りするか、採算を考えずにやりたいことをやるか、どちらかしかない。」(WWD2002年A/W号)
エルメスのデザイナーで、独立し、自分のブランドを設立したエリック・ベルジェールは上記の言葉を言い残してビジネスをクローズしました。