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グランジ

■グランジ・ファッション

グランジファッションとは、1990年代前半に流行したグランジ・ロックから派生したファッション。もともとグランジー(grungy:汚い)という俗語が語源で、アメリカのファッション誌が命名しました。

代表的なものは、着古して擦り切れたネルシャツ(棉でできたフランネル地のシャツ)やカーディガン、穴の開いたジーンズやスニーカーです。その他、着くずしや重ね着などが特徴です。

■ニルヴァーナとグランジ

へヴィメタル、USハードコアの流れを組む音楽は、グランジロックと呼ばれ、ニルヴァーナはその代表的なバンドでした。セカンドアルバムの「ネヴァーマインド」は全世界で800万枚売れます。グランジファッションはニルヴァーナのヴォーカル、カート・コバーンらのしていたファッションが、一つのイメージとして確立され、アメリカのシアトルから広まっています。

■マルジェラとグランジファッション

ハイファッションでは80年代後半にマルタン・マルジェラが打ち出しスタイルがグランジファッションの先駆と言われています。背景には消費社会を象徴するファッションのシステムへの疑問があり、そこからリサイクルなどの動きがでてきます。これをファッションの中で打ち出したのがマルジェラでした。

マルジェラは80年代前半のヨウジ・ヤマモトコム・デ・ギャルソンの影響を受け、古着を素材に、衣服を再構築した「シャビールック」で、ファッション界に衝撃を与えました。 この動きにより、80年代の保守的かつ、ゴージャスな流れが変わったと言われています。

マルジェラは80年代後半デビュー時から質素、シンプル、シャビー、知的といった清貧思想的なイメージを作り出します。ニルヴァーナを始とするシアトルのミュージシャン、ストリートが、マルジェラのファッションの影響を受けていたとは言いきれませんが(逆にマルジェラが音楽やストリートなどから影響を受けたと捕らえることが出来るかもしれません)、このような反体制的なスタイルは、70年代のパンクなどと少なからず共通するものがありました。

また、マルジェラは、これまで新しいスタイルを提案するというファッション業界の既成概念を崩して、既に発表したコレクションを、過去に発表したもので構成し、それぞれの作品に制作の年を入れるといった試みも行いました。

※シャビールック(shabby look):高級志向の1980年代のアンチテーゼとして、マルタン・マルジェラが80年代の終わりに打ち出した貧困者風のスタイル。色あせたり、ほつれたり、わざと古着風に仕上げるなど、新しい価値観をもったファッションが注目され、90年代の新しい流れを作り上げた。

本格的なトレンドとしては、ストリートから普及した形になりますが、90年代前半に当時ペリーエリスのデザイナーをしていたマークジェイコブスがグランジファッションを取り入れてコレクションを発表し、話題となりました。(これは評価を得ますが、やや保守的なペリーエリスの顧客からは大不評で後のデザイナーの解雇に繋がります)

その他デザイナーでは、アナ・スイなどが発表しています。