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シルエット、「ライン」の時代

50年台のファッションは40年代後半と同様にディオールを中心に動いていきます。それはまさに「ライン時代」と表現でき、毎年のように新しいシルエットが打ち出されていきます。

そのような流れの中でバレンシアガはよりシンプルで機能的なデザインを追及していきます。変化が出てきたのは50年A/Wバレンシアガのコレクションあたりからです。「バレル・ライン(バレル:樽)」と言われましたが、その名の通り、樽のようなボリュームのあるシルエットで「ニュー・ボリューム」としてジャーナリズムに取り上げられました。

■ゆったりとしたシルエットへ(ニュールック以降)

クリスチャン・ディオールは51年も基本的にはニュールックを基調としていますが、徐々に変化が出始めます。
ディオールのコレクションの中でもオーバルライン(オーバル:長円形)といわれる、バレンシアガのバレル・ラインのようなシルエットの作品が登場します。

バレンシアガは「ミディブラウスライン」、アメリカではこれをセーラー服と呼びますが、ウエストのラインを全くしめしていないストレートなジャケットにプリーツのスカート等、よりシルエットがゆったりとした作品が増えていきます。このようなプリーツスカートがアメリカでは好評をだったのをきっかけに、より機能的なデザインが求められる流れになります。

52年S/S、バレンシアガの52年のコレクションはスーツを中心としていましたが、クラッシックなスタイルの中でも東洋調の美学を入れた機能的なデザインで、これまでにないものでした。バレンシアガは50年からウエストを開放していたデザイナーだったのですが、それ以降も一貫して着易いデザインを追及していきます。

バレンシアガのシルエットを思い切って開放したデザインは当時としては新鮮さを持っていました。新しい時代の流れを予感させるものでした。ディオールもこの年、プリーツスカート、ブラウス、セーターとの組み合わせたコレクションでしたが、ごれは前年アメリカで流行した流行していた傾向でした。

■54年A/Wディーオールの「Hライン」

54年以前までのディオールのコレクションからシルエットに大きな変化がありました。 「Hライン」とは別名フラットルックといい、シルエットはHの字を書くよう流れ縦に落ち、バストを否定したデザインでした。

■55年S/S「Aライン」と「チュニック」

「Aライン」と「チュニック」 、このシーズンは2つのシルエットにはっきりと分かれました。

「Aライン」:肩を狭く小さくし、バストはフラットに、ウエストをややハイウエストにに絞っています。ウエストより下を裾広がりにしたデザインです。このデザインはデザインの展開が多種類の服装形式に可能で、コート、ワンピース、プリーツスカート、と組み合わせた広く一貫したデザインが打ち出されたため、好評でした。
※トルソー:ジャケットの丈を長めにして、ナチュラルでスレンダーなラインを強調したシルエットのことです。

「チュニック」: Aライン以上に多くのデザイナーが取り上げたデザイン。代表はなんと言ってもバレンシアガ! 上着はロングトルソーで、ややローウエストでウエストは絞らず、肩から背中をゆったりと扱い、全体はストレートなシルエット。スカートはタイト。このような上着とスカートの組合せをチュニックドレスと言う。 これは以前からガレンシアガが発表してきたしてしたデザインの流れを受けたもの。 同54年にはジバンシーバルマン等も発表します。

シルエット時代の終焉