巨大企業の誕生
グローバル化による競争の激化に伴い、大手ラグジュアリーブランドは企業の買収・合併を繰り返し、リストラクチャリングを進めシェア獲得と生産の効率化を図りました。まさにファッションがビジネス、市場に「本格的」に取り込まれたといっていいでしょう。
ファッション系企業が巨大化してゆくのです。その過程には下記2点がキーワードとして上げられます。
①株式の上場
株式上場は莫大な資本を集めることが可能に、資金を元に世界戦略にのり出すことが可能になりました。しかしこれは同時に常に安定した利潤を出し続ける必要性が伴うことになり、利益を出し続けることを市場に約束することにもなりました。
株式上場にもデメリットはあります。いい例がダナキャランです。ダナキャランは上場後、株価に縛られることで、デザインに集中することができなくなりました。そして香水等商品が不発に終わると一気に株価が下がるという状況に陥り、最後はLVHHに買収される形で経営権を譲渡します。
デザイナーが市場に振り回されてしまい「たくさん売れる」服を作らなければいけない状況に入れられてしまったのです。
②M&A
経営戦略の一環としてM&Aが進められました。有力ブランドの買収、主要国での現地法人設立や大型店の開設、ブランド宣伝強化の動きが活発化していきます。
M&Aを繰り返すブランド
■LVMH(モエヘネシールイヴィトン)
傘下ブランド:ルイ・ヴィトン、ロエベ、セリーヌ 、ケンゾー、エミリオ・プッチ、クリスチャン・ディオール、ジバンシー、フェンディ 、ダナ・キャラン、マーク・ジェイコブス、等
※クリスチャンディオールはLVMH傘下ではなく位置づけとしてはLVMHの親会社に当たる。
■ PPR
傘下ブランド:グッチ、イヴ・サンローラン・リヴゴーシュ、ボッテガ・ヴェネタ、セルジオ・ロッシ、アレキサンダー・マックィーン、バレンシアガ、ステラマッカートニー、プーマ等
※PPRはフランスの流通大手
なぜ巨大化するのでしょうか!?
巨大企業の4つメリット
①広告:
たくさんのお金を投入し、世界中で大規模な広告キャンペーンをし、ブランドイメージの確立を進めることができます。大きな企業としてたくさん広告枠を押さえると割安になりブランドあたりの広告費を抑えるメリットも生まれます。
②効率化:
企業が大きくなると生産量も増えるため生産拠点の統一による物流の効率化が可能になります。また大きな企業はお金も持っていますのでIT投資も積極的に行うことができるようになります。ITを一括で導入して生産工程の「ムダ」をなくすことができるのです。
③技術:
ブランド間の技術交換など相乗効果が生まれます。ルイヴィトンはバックにおける強さと、ディオールの服における強さを持ち合わせていることです等。
傘下のブランド内の技術的強みを活かしあい、相乗効果が生まれます。
④リスクヘッジ:
ブランドの売上は流行に左右されにくいもの。売上が一気に上がることもあれば下がることもあります。いくつかブランドをもっていれば大きく売上を落とす企業があっても、他の企業でカバーできるのです。
特にLVMHなどは収益が安定的に出る高級酒ワインやコニャックのブランドを持っているので強いです。ファッションの1つのブランドで少しくらい外してしまっても十分カバーできます。
